SEO 2025年08月08日

AISASモデルとは?現代マーケティングに不可欠な「検索」と「共有」を起点とした戦略を徹底解説

MIP編集部

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マーケティング専門家 実務経験5年以上 コンサルティング実績多数

インターネットが当たり前になった現代において、「広告を見て、すぐ購入」という購買行動は少なくなりました。

多くの消費者は、商品やサービスを知ると、まずスマートフォンで検索し、口コミをチェックし、納得した上で購入を決定します。 この新しい消費者の行動パターンを捉えるために生まれたのが、「AISAS(アイサス)」モデルです。

本記事では、AISASモデルの基本から、デジタルマーケティングで成果を出すための活用法、そして具体的な成功事例までを徹底的に解説します。

この記事を読めば、なぜ現代のマーケティングにおいて「検索」と「共有」が重要なのかが明確になり、あなたのマーケティング施策に新たなヒントが得られるでしょう。

AISASとは?「検索」と「共有」が加わった現代の購買行動モデル

AISASとは、消費者が商品やサービスを認知してから、最終的に購入し、さらにその体験を他者と共有するまでの一連のプロセスを5つの段階に分けたものです。

2004年に株式会社電通によって提唱されました。 それぞれの頭文字が、消費者の心理状態と行動を示しています。

  • Attention(注意): 商品やサービスの存在を認知する段階
  • Interest(興味): 興味・関心を抱く段階
  • Search(検索): 情報を自ら積極的に検索する段階
  • Action(行動): 実際に購入する段階
  • Share(共有): 購入体験を他者と共有する段階

AISASモデルの最大の特徴:「双方向性」

従来のAIDMAモデルが、企業から消費者への一方的な情報伝達(Attention → Interest → Desire → Memory → Action)を前提としていたのに対し、AISASモデルでは**消費者自身が能動的に情報を収集し(Search)、さらにその情報を他者へと発信(Share)**します。

これにより、消費者は受け身ではなく、マーケティングのプロセスに積極的に関与する「主役」となります。

そして、この「共有(Share)」が次の「注意(Attention)」を生み出すという循環が、AISASモデルの最も重要な特徴です。

各フェーズで消費者はどう動く?

AISASモデルの各フェーズにおいて、消費者はどのような行動を取るのでしょうか。

1. Attention(注意):認知・注意を引く

この段階では、消費者はテレビCMやウェブ広告、SNS投稿などで商品・サービスを目にします。

消費者行動: テレビCMやウェブ広告、SNS投稿などで商品・サービスを目にする。

施策例: 広告: Web広告、SNS広告、インフルエンサーマーケティング 広報: プレスリリース、メディア露出

2. Interest(興味):関心を惹きつける

注意を引いた後、「面白そう」「もっと知りたい」と関心を抱く段階です。

消費者行動: 「面白そう」「もっと知りたい」と感じ、関心を抱く。

施策例: コンテンツマーケティング: 質の高いブログ記事、動画コンテンツ SNS運用: ユーザーの興味を引く投稿、参加型キャンペーン

3. Search(検索):能動的に情報収集する

興味を持った消費者が、自ら情報を調べる段階です。Google検索やSNSでのハッシュタグ検索、ECサイトのレビューチェックなどが含まれます。

消費者行動: 興味を持った商品について、自分で情報を調べる。Google検索やSNSでのハッシュタグ検索、ECサイトのレビューチェックなどが含まれる。

施策例: SEO(検索エンジン最適化): ターゲットキーワードで上位表示を目指す MEO(マップエンジン最適化): 店舗情報などを検索上位に表示させる ECサイトのレビュー: 顧客レビューを充実させる

4. Action(行動):購入・申込へ

検索で得た情報に納得し、実際に商品を購入したり、サービスに申し込んだりします。

消費者行動: 検索で得た情報に納得し、実際に商品を購入したり、サービスに申し込んだりする。

施策例: UI/UX改善: ECサイトや予約サイトの使いやすさを向上させる 購入サポート: 返金保証制度や充実したカスタマーサポート

5. Share(共有):体験を拡散する

購入後の感想や評価をSNS、ブログ、レビューサイトなどで発信します。この「共有」が、また新たな「Attention」を生む起点となります。

消費者行動: 購入後の感想や評価をSNS、ブログ、レビューサイトなどで発信する。

施策例: ソーシャルリスニング: SNS上の口コミを分析し、改善に活かす UGC(User Generated Content)

AISASとAIDMAの決定的な違いを事例で比較

AISASとAIDMAは、Attention(注意)とInterest(興味)までは共通していますが、その後のプロセスに大きな違いがあります。

項目AIDMAAISAS
前提となる時代マスメディア中心の時代インターネット・SNS時代の時代
購買プロセスの核Desire(欲求)、Memory(記憶)Search(検索)、Share(共有)
情報流通の方向性企業から消費者への一方通行消費者自らが情報発信する双方向性
Export to Sheets

具体的な購買行動の違い

AIDMAの場合: テレビCMで新製品の存在を知り(A)、興味(I)を持つ。繰り返しCMを見るうちに「欲しい」という欲求(D)が生まれ、その製品を記憶(M)する。そして、スーパーでその製品を見つけて購入(A)する。

AISASの場合: SNSの広告で新製品の存在を知り(A)、興味(I)を持つ。その場で製品名を検索(S)し、他のユーザーの口コミやレビューをチェック。評価が高ければ購入(A)し、自分もSNSに「買ってみた!」と投稿(S)する。

この「検索(S)」と「共有(S)」の2つのステップが加わることで、マーケティングの戦略は大きく変わります。

AISASモデルを活かしたマーケティング戦略の構築方法

AISASモデルを理解しただけでは意味がありません。このモデルを基に、具体的なマーケティング戦略を立てるためのステップを解説します。

ステップ1:各フェーズに合わせたKPIを設定する

AISASモデルの各フェーズで、どのような目標を達成したいのかを明確にし、KPIを設定しましょう。

AISASのフェーズ設定すべきKPIの例
Attention広告のインプレッション数、リーチ数、サイトのセッション数
Interestサイトの滞在時間、PV数、クリック率(CTR)、メルマガ登録者数
Searchブランド名や関連キーワードでの検索順位、指名検索数
Action購入完了数、CV率、問い合わせ数
ShareSNSでのメンション数、ハッシュタグ投稿数、レビュー投稿数

ステップ2:コンテンツをAISASの各フェーズに最適化する

消費者の購買プロセスに沿って、提供するコンテンツを最適化することが重要です。

Attention・Interestフェーズ

目的: 多くの人に知ってもらい、興味を持ってもらう。

コンテンツ: 視覚に訴えるSNS動画、インフルエンサーとのコラボレーション、共感を呼ぶ記事。

Searchフェーズ

目的: 検索されたときに、自社の商品が選ばれるようにする。

コンテンツ: 競合との比較記事、商品の詳細な機能解説、使い方動画、よくある質問(FAQ)。

Actionフェーズ

目的: 安心して購入できる環境を整える。

コンテンツ: 30日間返金保証、顧客サポートの充実、購入ボタンの明確化。

Shareフェーズ

目的: 良い口コミを増やし、次のAttentionにつなげる。

コンテンツ: レビュー投稿で割引、SNSでの投稿キャンペーン、購入者限定のコミュニティ。

AISASモデルを巧みに活用した成功事例

AISASモデルを理解し、実際に成功を収めた企業の事例を紹介します。

事例1:パーソナルジム「RIZAP(ライザップ)」

RIZAPは、高額なサービスであるにもかかわらず、AISASモデルを巧みに活用して急成長を遂げました。

  • Attention(注意): 「結果にコミットする」という強烈なキャッチコピーと、劇的なビフォーアフター映像のテレビCMで、圧倒的な認知度を獲得しました。
  • Interest(興味): 有名人の起用やインパクトのあるCMで、多くの人が「本当なのか?」と興味を持つきっかけを作りました。
  • Search(検索): 興味を持った人々は、「ライザップ 効果」「ライザップ 料金」といったキーワードで検索します。RIZAPは、アフィリエイトなどを活用し、ネット上にポジティブな口コミや体験談を増やすことで、検索結果を最適化しました。(引用元: アケボノ印刷 http://www.akebono-print.co.jp/2021/10/27/aisas/
  • Action(行動): 「30日間全額返金保証制度」を導入し、高額なサービスへの不安を取り除くことで、購買へのハードルを下げました。(引用元: オクゴエ! https://okugoe.com/aisas/
  • Share(共有): 目に見える結果が出た顧客は、自らSNSなどでその体験を共有し、それが新たな「Attention」を生む好循環を作り出しました。

事例2:スターバックスコーヒー

スターバックスは、広告に頼らず、AISASモデルの「共有(Share)」を起点にブランドを確立した好事例です。

  • Attention(注意): SNS上での新作フラペチーノの情報や、写真映えする店内の様子が、自然と人々の目に触れるきっかけとなります。
  • Interest(興味): 期間限定メニューやユニークなドリンクは、「飲んでみたい」という興味を掻き立てます。
  • Search(検索): 興味を持ったユーザーは、「スタバ 新作」「スタバ おすすめ」といったハッシュタグでSNSを検索し、情報を収集します。(引用元: ニュートラルワークス https://n-works.link/blog/marketing/aisas
  • Action(行動): 多くの人が店舗に足を運び、購入します。
  • Share(共有): 購入したドリンクや店内の写真をSNSに投稿することが一種のステータスとなり、それがまた別のユーザーの「Attention」につながるのです。スターバックスは、この**「共有されること」を前提とした商品開発や店舗づくり**に注力しています。(引用元: オクゴエ! https://okugoe.com/aisas/

まとめ:AISASはデジタル時代の「顧客起点」マーケティングの羅針盤

AISASモデルは、インターネットが普及した現代において、消費者の購買行動を理解するための不可欠なフレームワークです。

AISASモデルの各フェーズを深く理解し、それに合わせた戦略を立てることで、単なる広告に依存するのではなく、顧客自身が情報を広めてくれるような、自律的なマーケティングサイクルを構築することができます。

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