SEO 2025年07月12日

クローラビリティとは?SEOの土台を固める!Googleに”見つけてもらう”技術と10の改善策

MIP編集部

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株式会社MIPのマーケティング専門チームです。デジタルマーケティング業界で5年以上の実務経験を持つ専門家が、実践的で価値のある情報をお届けしています。SEO、広告運用、コンテンツマーケティングの分野で数多くの企業様の成果向上をサポートし、その知見を記事として発信しています。

マーケティング専門家 実務経験5年以上 コンサルティング実績多数

「渾身のコンテンツを公開したのに、一向に検索結果に表示されない…」 「Webサイトをリニューアルしたら、なぜかアクセスが減ってしまった…」 「SEO対策を頑張っているのに、成果が出ない…」

このような悩みの裏には、見落とされがちな“ある問題”が隠れているかもしれません。それは、**「クローラビリティ(Crawlabillity)」**の問題です。

どれだけユーザーのためになる素晴らしいコンテンツを作っても、検索エンジンであるGoogleにその存在を**“見つけてもらい、正しく理解”**してもらえなければ、SEOの評価は始まりすらしません。それはまるで、誰も地図を持っていない、道なき道にポツンと立つ名店のようなものです。

本記事では、SEOの成功を左右するまさに「土台」であるクローラビリティとは何か、なぜ重要なのか、そして具体的な改善策までを、初心者の方にも分かりやすく体系的に解説します。

そもそもクローラビリティとは?SEOの全プロセスの出発点

クローラビリティを理解するために、まずはGoogle検索がどのように機能しているか、その3つのステップを見てみましょう。

  1. クロール (Crawl): Googleのロボット(クローラーやGooglebotと呼ばれる)が、世界中のWebサイトを巡回し、新しいページや更新されたページを発見・収集します。
  2. インデックス (Index): クロールして収集した情報をGoogleの巨大なデータベースに整理・登録します。このインデックスに登録されて初めて、検索対象となります。
  3. ランキング (Ranking): ユーザーが検索したキーワードに対し、インデックスの中から最も関連性が高く、有益だと判断したページを順位付けして表示します。

クローラビリティとは、この最初のステップである「クロール」のしやすさ、つまり**「Googleのクローラーが、サイト内の情報をどれだけ効率よく、漏れなく発見・収集できるか」**という“巡回のしやすさ”を指す指標です。

クローラビリティが低いサイトは、そもそもクローラーにページを見つけてもらえない、あるいはサイトの全体像を正しく理解してもらえないため、その後のインデックスやランキングで適切な評価を受けられないのです。

なぜクローラビリティの改善がSEOに不可欠なのか?3つの理由

クローラビリティを改善することは、単に「Googleに優しくする」というだけではありません。ビジネスの成果に直結する、3つの明確なメリットがあります。

1. インデックスの促進と高速化

クローラビリティが高いサイトは、新規ページの公開や既存ページの更新が、より迅速にGoogleに認識され、インデックスに登録されます。これにより、鮮度が重要な情報(ニュース、キャンペーン情報など)をいち早くユーザーに届けることができます。

2. サイトの正しいポテンシャル評価

クローラーがサイト内をスムーズに巡回できると、各ページの内容だけでなく、ページ同士の関連性やサイト全体の構造を正確に理解してくれます。これにより、サイトが持つ本来の専門性や権威性が正しく評価され、SEOにおいて有利に働きます。

3. クロールバジェットの最適化

「クロールバジェット」とは、Googleが1つのサイトをクロールするために割り当てるリソース(時間や労力)の上限のようなものです。特に大規模サイトでは、このバジェットは有限です。クローラビリティが低いと、価値の低いページや重複ページにバジェットが無駄遣いされ、本当に重要なページがクロールされない事態に陥ります。クローラビリティを改善し、「クロールしてほしいページ」に効率よくリソースを集中させることが重要です。

あなたのサイトは大丈夫?クローラビリティ低下を招く7つの要因

気づかないうちに、自らクローラビリティを下げてしまっているケースは少なくありません。以下の点に心当たりはないか、チェックしてみましょう。

  1. 複雑で分かりにくいサイト構造: ユーザーが目的のページにたどり着きにくいサイトは、クローラーにとっても巡回しにくいサイトです。
  2. 不適切な内部リンク設計: 他のどのページからもリンクされていない「孤立したページ」が存在する。
  3. XMLサイトマップが存在しない、または古い: サイトの地図であるXMLサイトマップがない、または更新が止まっている。
  4. robots.txtによる不適切なクロール制御: 誤って重要なページへのクロールをブロックしてしまっている。
  5. ページの表示速度が極端に遅い: ページの読み込みに時間がかかりすぎると、クローラーが時間内に十分なページを巡回できません。
  6. 大量の低品質・重複ページ: 価値の低いページが多いと、クロールバジェットの無駄遣いに繋がります。
  7. JavaScriptに依存したコンテンツ表示: JavaScriptで主要なコンテンツを生成している場合、Googleが内容を正しく認識できない(レンダリングできない)ことがあります。

クローラビリティの現状確認方法

サイトのクローラビリティが現在どのような状態にあるかは、Google Search Consoleを使うことで把握できます。

「設定」>「クロールの統計情報」レポートを開いてみましょう。ここでは、Googlebotが過去90日間にあなたのサイトをどれだけクロールしたかを確認できます。

  • クロールリクエストの合計数: この数値が極端に少ない場合、サイトの更新頻度に対してクロールが追いついていない可能性があります。
  • 応答別: 「OK (200)」以外(サーバーエラー(5xx)や見つかりません(404)など)の割合が高い場合、クローラーが多くの問題に直面していることを示します。

このレポートを定期的に確認し、サイトの健康状態を把握する習慣をつけましょう。

【今日からできる】クローラビリティを劇的に改善する10の打ち手

クローラビリティの改善は、多岐にわたりますが、優先順位をつけて一つずつ着実に進めることが重要です。ここでは、特に効果の高い10の施策をご紹介します。

【最重要・基本編】まずはここから!

  1. XMLサイトマップの作成・送信 Googleにサイト全体の構造を伝える「地図」の役割を果たします。WordPressならプラグインで簡単に生成できます。作成したら、Google Search Consoleから必ず送信しましょう。
  2. 戦略的な内部リンク設計 関連性の高いページ同士をリンクで繋ぎましょう。これにより、クローラーはリンクを辿ってサイト内を深く巡回でき、ユーザーも回遊しやすくなります。**「パンくずリスト」**の設置も基本かつ非常に有効です。
  3. 論理的で分かりやすいディレクトリ構造 URLを見れば、そのページがサイトのどの階層にあり、どんな内容かが推測できるような、シンプルで論理的な構造を心がけましょう。(例: /service/seo/

【応用・最適化編】さらに評価を高める

  1. robots.txtの最適化 サイト内検索結果ページや、ログイン後のマイページなど、Googleにクロールさせる必要のないページのURLをDisallow:で指定し、クロールバジェットを節約します。ただし、記述を間違えるとサイト全体がクロールされなくなる危険性もあるため、慎重に設定しましょう。
  2. ページの表示速度改善 (Core Web Vitals) ページの表示速度は、ユーザー体験だけでなくクローラビリティにも直結します。画像の圧縮や不要なコードの削除など、Core Web Vitalsの改善に努めましょう。
  3. 重複・低品質コンテンツの整理 前回の記事で解説した「重複コンテンツ」を、canonicalタグや301リダイレクトで正規化したり、価値の低いページをnoindexにしたりすることで、クロールの無駄をなくします。
  4. リダイレクトの適正化 リダイレクトが複数重なる「リダイレクトチェーン」は、クローラーの負荷を高めます。最終的なURLへ直接301リダイレクトするように設定を見直しましょう。
  5. 孤立したページの解消 サイト内のどのページからもリンクされていないページは、クローラーに発見されにくいです。ツールなどを使って孤立ページを見つけ出し、必ずどこかから内部リンクを設置しましょう。
  6. HTML構造のセマンティック化 ページのタイトルは<h1>、大見出しは<h2>といったように、見出しタグを正しく使うことで、Googleにコンテンツの構造と重要度を正確に伝えることができます。
  7. サーバーエラー(404 Not Foundなど)の解消 リンク切れなどで発生する404エラーを放置せず、正しいページへリダイレクトするか、カスタム404ページを用意してユーザーを適切に案内しましょう。

まとめ:クローラビリティ改善とは、ユーザーとGoogleへの“おもてなし”である

クローラビリティの改善は、一見すると技術的で難しいSEO対策に思えるかもしれません。しかし、その本質は非常にシンプルです。それは、**「訪れてくれたユーザーとGoogle(クローラー)の両方が、迷わず快適にサイト内を巡れるように道を整える」**という、最高のおもてなしの心です。

ユーザーにとって分かりやすいサイト構造は、クローラーにとっても分かりやすい。この原則を忘れずに、サイトの土台から見直すことで、これまで積み上げてきたコンテンツの価値を最大限に引き出すことができます。

優れたコンテンツと、それを届けるための優れたクローラビリティ。この両輪が揃って初めて、SEOは真の成功へと走り出すのです。


サイトの構造的な問題点の発見や、robots.txt、サーバー設定といった技術的なSEO監査は、専門的な知識がなければ難しい領域です。自社サイトのクローラビリティに根本的な課題を感じている場合は、専門家の力を借りるのが最も確実な近道です。

私たち株式会社MIPでは、技術的な観点からサイトの現状を徹底的に分析し、ビジネスの成長に繋がる最適な改善策をご提案します。ぜひお気軽にご相談ください。

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