SEO 2025年09月02日

hreflangとは?多言語・多地域のSEOに必須な設定方法を徹底解説

MIP編集部

この記事を書いた人

株式会社MIPのマーケティング専門チームです。デジタルマーケティング業界で5年以上の実務経験を持つ専門家が、実践的で価値のある情報をお届けしています。SEO、広告運用、コンテンツマーケティングの分野で数多くの企業様の成果向上をサポートし、その知見を記事として発信しています。

マーケティング専門家 実務経験5年以上 コンサルティング実績多数

「複数の言語や地域向けのサイトを運営しているけど、検索順位が安定しない…」「Googleに正しい評価をしてもらいたいけど、どうすればいいの?」

グローバルなビジネスを展開している企業にとって、多言語・多地域向けのWebサイトは不可欠な存在です。しかし、言語や地域ごとに同じようなコンテンツがあると、検索エンジンは「どのページをどの国のユーザーに表示すればいいか」を判断できず、重複コンテンツとみなされるリスクがあります。

この問題を解決し、各国のユーザーに最適なコンテンツを届けるための重要な設定が**hreflang**です。

この記事では、hreflangの基本的な役割から、SEOに与える効果、そして正しい設定方法までを初心者にもわかりやすく、網羅的に解説します。この記事を読めば、あなたのサイトが抱える多言語・多地域SEOの課題を解決し、グローバルな市場で成功するための強力な武器を手に入れることができるでしょう。


そもそもhreflangとは?

hreflangとは、検索エンジンに、特定のページの別言語・別地域向けのバージョンが存在することを伝えるためのHTML属性です。

これは、検索エンジンがユーザーの言語設定や所在地に応じて、最も適切なページを検索結果に表示できるようにするための「指示書」のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。

たとえば、日本語、英語、中国語でコンテンツを提供している場合、hreflangを設定することで、

  • 日本語を話すユーザーには日本語ページを
  • 英語を話すユーザーには英語ページを
  • 中国語を話すユーザーには中国語ページを

それぞれ検索結果に表示するように促すことができます。これにより、ユーザーは自分に最適な情報にアクセスでき、サイトの利便性が向上します。

hreflangはなぜSEOに重要なのか?

hreflangがSEOに不可欠な理由は、主に以下の3点にあります。

  1. 重複コンテンツの回避: hreflangは、異なる言語や地域向けの類似コンテンツが、意図しない重複コンテンツとみなされるのを防ぎます。これにより、検索エンジンは各ページを独立した価値あるコンテンツとして正しく評価できます。
  2. クロール効率の向上: 検索エンジンはhreflangの情報を利用して、サイト内の多言語コンテンツの関連性を効率的に理解し、クロールを最適化できます。
  3. 検索結果のクリック率(CTR)向上: ユーザーの言語や地域に最適化されたページが表示されることで、ユーザーはより安心してクリックでき、結果としてクリック率が向上します。

hreflangの基本文法と属性の種類

hreflangは、linkタグ内に記述されます。基本的な文法は以下の通りです。

<link rel="alternate" hreflang="言語コード" href="ページのURL" />

1. hreflangの言語コード

hreflangで最も重要なのが、**「言語コード」**です。これは、ISO 639-1形式の2文字で表記します。

言語コード言語
ja日本語
en英語
frフランス語
zh中国語

Export to Sheets

2. 地域コードを加える

言語コードに加えて、**「地域コード」**を指定することもできます。これは、ISO 3166-1 Alpha 2形式の2文字で表記します。

  • 言語コード + 地域コード
    • en-us: 米国向けの英語
    • en-gb: 英国向けの英語
    • es-mx: メキシコ向けのスペイン語
    • ja-jp: 日本向けの日本語

このように、同じ言語でも地域ごとにコンテンツが異なる場合(例:通貨や連絡先情報)、地域コードを追加することで、より詳細なターゲティングが可能です。

3. x-default属性

x-defaultは、**言語や地域が一致しないユーザー向けの「デフォルトページ」**を指定するために使用します。

例えば、日本語、英語、中国語のページがある場合、それ以外の言語を話すユーザー(例:フランス語話者)には、どのページを表示すべきかをGoogleに伝えることができます。

<link rel="alternate" hreflang="x-default" href="https://example.com/en/" />

この場合、en(英語)ページがデフォルトとして表示されるようになります。


hreflangの正しい設定方法

hreflangを設定するには、主に3つの方法があります。

1. HTMLの<head>内に記述する

最も一般的で簡単な方法です。すべての多言語ページに、そのページのすべての言語バリエーションを記述します。

例:日本語ページ(https://example.com/ja/)の場合

HTML

<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://example.com/ja/" />
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://example.com/en/" />
<link rel="alternate" hreflang="zh" href="https://example.com/zh/" />

例:英語ページ(https://example.com/en/)の場合

HTML

<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://example.com/en/" />
<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://example.com/ja/" />
<link rel="alternate" hreflang="zh" href="https://example.com/zh/" />

【注意点】

  • 相互リンク: 必ず、すべてのページが相互にhreflangを記述する必要があります。日本語ページから英語ページへのリンクだけでなく、英語ページから日本語ページへのリンクも必須です。
  • 自己参照リンク: 各ページは、自分自身のURLにもhreflangを記述する必要があります。

2. HTTPヘッダーに記述する

PDFファイルや画像ファイルなど、HTMLファイルではない場合に有効な方法です。

Link: <https://example.com/en/>; rel="alternate"; hreflang="en"

3. XMLサイトマップに記述する

XMLサイトマップにhreflang情報を追加することもできます。これは、ページ数が非常に多い大規模サイトで、HTMLに直接記述するのが難しい場合に便利な方法です。

XMLサイトマップの<url>タグ内に、<xhtml:link>タグを追加して記述します。

XML

<url>
  <loc>https://example.com/ja/</loc>
  <xhtml:link rel="alternate" hreflang="en" href="https://example.com/en/"/>
  <xhtml:link rel="alternate" hreflang="zh" href="https://example.com/zh/"/>
</url>

hreflangの設定におけるよくある間違いと対策

hreflangは、少しでも設定を間違えると、その効果が失われてしまう繊細な設定です。

1. 相互リンクが不完全

最もよくある間違いです。AページにBページへのhreflangを記述しても、BページにAページへのhreflangがない場合、Googleはその関連性を正しく理解できません。必ず相互にリンクを記述しましょう。

2. URLの記述ミス

URLのタイプミスや、相対URL(例:/ja/)の使用は避けるべきです。必ず**完全なURL(https://example.com/ja/)**で記述しましょう。

3. 言語・地域コードの誤り

jajpと記述するなど、コードを間違えてしまうと設定が認識されません。必ずISO 639-1およびISO 3166-1 Alpha 2のコードを正確に使用してください。

4. サイトマップとHTMLでの記述の混在

サイトマップとHTMLの両方にhreflangを記述すると、Googleが混乱する可能性があります。どちらか一方に統一して記述しましょう。

5. rel="canonical"との競合

hreflangcanonicalタグを併用する場合、それぞれの設定が正しく行われているか注意が必要です。hreflangを設定したページは、自分自身を指すcanonicalタグを記述しなければなりません。 別のURLを正規URLとして指定してしまうと、hreflangが無効になる可能性があります。


【実践例】多言語・多地域SEOの成功事例

hreflangを正しく設定し、多言語・多地域SEOで成功を収めている企業の事例を見てみましょう。

【事例:有名旅行情報サイト】

ある有名旅行情報サイトは、世界中のユーザーに向けてコンテンツを提供しています。彼らは、サイトマップとHTMLの両方でhreflangを適切に活用しています。

たとえば、日本の東京のページには、

  • ja-jp(日本語・日本)
  • en-us(英語・米国)
  • fr-fr(フランス語・フランス)

といったhreflangタグを記述しています。

これにより、フランス在住のユーザーが「Tokyo travel guide」と検索した場合、フランス語で書かれた東京のページが検索結果に表示されます。これにより、ユーザーは言語の壁を感じることなく、最適な情報を得ることができ、サイトの評価とコンバージョン率が向上しています。


hreflangの確認方法

設定したhreflangが正しく機能しているか、必ず確認しましょう。

1. Google Search Console

Google Search Consoleには、hreflangのエラーを検出する機能はありませんが、hreflangが正しく機能しているかを確認することができます。

  • **「インデックス > ページ」**のレポートで、hreflangが設定されたページが正しくインデックスされているかを確認します。

2. 外部ツール

「Hreflang Checker」や「Ahrefs」などの外部ツールを利用すると、URLを入力するだけでhreflang設定の誤りや相互リンクの問題を自動で検出してくれます。


まとめ:hreflangはグローバルビジネスの成功に不可欠なSEO対策

hreflangは、多言語・多地域サイトを運営する上で、単なるオプションではなく、SEOの健全性を保つための必須の対策です。

  • 重複コンテンツを回避する
  • ユーザーの言語や地域に最適なページを届ける
  • 検索エンジンのクロールを効率化する

これらの目的を達成するためには、hreflangの正しい設定が不可欠です。少しの設定ミスが、SEOに大きな悪影響を及ぼす可能性があるため、細心の注意を払って実装しましょう。


貴社の多言語・多地域サイトが、検索順位やトラフィックの課題を抱えていませんか?

株式会社MIPでは、hreflangの設定を含む、グローバルSEO戦略の策定から実行までをサポートするコンサルティングを提供しています。

貴社のビジネスを世界に広げるための最適な戦略を、私たちと一緒に見つけませんか?

マーケティングの運用でお困りですか?

当社の専門チームが、あなたのビジネスに最適な戦略をご提案いたします。

無料相談を申し込む