SEO 2025年09月08日

CPAとは?広告費を抑えて成果を最大化するCPAの基本と改善方法

MIP編集部

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マーケティング専門家 実務経験5年以上 コンサルティング実績多数

「広告を始めたけど、CPAが高いって言われた…これってどういう意味?」

「CPAを下げたいけど、何をどうすればいいのかわからない」

Webマーケティングに携わる方であれば、「CPA」という言葉を頻繁に耳にするはずです。しかし、この重要な指標が具体的に何を意味し、どのようにビジネスに影響を与えるのか、曖昧なまま運用している方も少なくありません。

CPAは、広告運用の費用対効果を測る上で最も重要な指標の一つです。これを正しく理解し、改善することで、広告のROI(投資収益率)を飛躍的に高めることができます。

この記事では、CPAの基本から、計算方法、ビジネスにおける重要性、そして具体的な改善方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。単なる用語解説に留まらず、広告効果を最大化するための実践的なノウハウをご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


1. CPAとは?基本の定義と計算方法

1.1. CPA(顧客獲得単価)の定義

CPAとは、「Cost Per Acquisition」または「Cost Per Action」の略で、日本語では「顧客獲得単価」と訳されます。これは、1件のコンバージョン(成果)を獲得するためにかかった広告費用を表す指標です。

  • コンバージョン(成果):広告主が最終的に達成したい目標のこと。
    • :商品購入、資料請求、問い合わせ、会員登録、アプリのインストールなど。

つまり、CPAは「1人の顧客を連れてくるのに、いくら費用がかかったか?」という問いに答える、広告運用の費用対効果を測る上で最も直接的な指標なのです。

1.2. CPAの計算方法

CPAは以下のシンプルな式で計算されます。

CPA=コンバージョン数広告費用​

例1:ECサイトの場合

  • 広告費用:100,000円
  • コンバージョン数(商品購入):10件
  • CPA:100,000円 ÷ 10件 = 10,000円

この場合、1件の商品を販売するために10,000円の広告費がかかったことになります。

例2:BtoBビジネス(リード獲得)の場合

  • 広告費用:50,000円
  • コンバージョン数(資料請求):5件
  • CPA:50,000円 ÷ 5件 = 10,000円

この場合、1件の資料請求を獲得するために10,000円の広告費がかかったことになります。

1.3. CPAと他の指標との違い

CPAを理解する上で、混同しやすい他の指標との違いを明確にしておきましょう。

  • CPC(クリック単価):1クリックあたりにかかる費用。ユーザーがウェブサイトに訪れた時点のコスト。
  • CVR(コンバージョン率):クリック数に対し、コンバージョンに至った割合。ウェブサイト上での効率性を示す指標。
  • ROAS(広告費用対効果):広告費1円あたりで、どれだけの売上があったかを示す指標。

これらの指標は密接に関係しており、CPAはこれらの指標の集大成と言えます。


2. CPAはなぜ重要なのか?ビジネスにおける3つの役割

CPAは単なる数字ではありません。ビジネスの健全性や成長性を示す重要な役割を担っています。

2.1. 広告運用の「健全性」を測る

CPAは、その広告運用が「儲かっているか、損しているか」を判断する上で最も重要な基準となります。

  • CPA < 顧客が生み出す利益
    • この状態は、広告が利益を生み出していることを意味します。
  • CPA > 顧客が生み出す利益
    • この状態は、広告を出せば出すほど赤字になる「広告破産」のリスクがあることを意味します。

そのため、広告運用を始める前に、必ず**「許容CPA」**を設定しておく必要があります。

2.2. 許容CPAの設定方法

許容CPAとは、**「これ以上高くなると赤字になる」**というCPAの上限値です。許容CPAは、商品の利益率から算出します。

許容CPA=商品単価−原価−その他の経費

例:商品単価が20,000円、原価が8,000円、その他の経費が2,000円の場合

許容CPA=20,000−8,000−2,000=10,000円

この場合、CPAが10,000円以下であれば利益が出ていることになります。

2.3. 広告の「効率」と「成長性」を示す

CPAは、広告チャネルやキャンペーンの効率性を比較する上でも役立ちます。

    • Google検索広告のCPA:8,000円
    • SNS広告のCPA:12,000円

この場合、Google検索広告の方がより効率的に顧客を獲得できていることがわかります。このように、CPAを比較することで、予算をどこに集中させればよいか、的確な判断を下すことができます。


3. CPAが高くなる3つの原因

CPAが高くなる原因は様々ですが、主に以下の3つの要素が複雑に絡み合っています。

3.1. ウェブサイト(LP)の問題

ユーザーは広告をクリックしてLP(ランディングページ)にたどり着きますが、LPに問題があるとすぐに離脱してしまいます。

  • 表示速度が遅い:ユーザーは待ちきれず、すぐに他のサイトへ移動します。
  • スマホ対応が不十分:スマホユーザーが快適に閲覧できないと、コンバージョンに至る確率は下がります。
  • 訴求内容が不明確:何のサービスか、誰のためのものか、何ができるのかがわからないと、ユーザーは不安になって離脱します。

3.2. 広告(クリエイティブ)の問題

ユーザーは広告を見てクリックします。広告が魅力的でなければ、そもそもクリックされません。

  • 広告文が魅力的でない:競合と差別化できていない、ユーザーの悩みに寄り添えていない広告文はクリックされません。
  • 画像・動画が訴求力に欠ける:視覚的な訴求が重要なSNS広告では、クリエイティブの質がCPAに直結します。
  • ターゲティングのズレ:ターゲットではないユーザーに広告が表示されてしまうと、クリックはされるもののコンバージョンには至らず、CPAが高騰します。

3.3. キーワード・入札の問題

検索広告においては、キーワードや入札戦略がCPAに直接影響を与えます。

  • CPCの高騰:競合の多いキーワードは、クリック単価(CPC)が高くなり、結果的にCPAも高くなります。
  • キーワードと広告文の不一致:ユーザーの検索意図と広告の内容がずれている場合、クリックだけされてコンバージョンに至りません。
  • 不適切な入札戦略:手動入札で単価を高く設定しすぎたり、自動入札の目標設定が適切でなかったりすると、無駄な広告費が発生します。

4. CPAを改善し、広告効果を最大化するための具体的な方法

CPAを改善するためには、CPC、CVR、そしてコンバージョンに至るまでのプロセス全体を見直す必要があります。ここでは、すぐに実践できる具体的な改善方法を3つのステップでご紹介します。

4.1. 広告・クリエイティブの改善

  • ターゲティングを見直す
    • 広告管理画面の「オーディエンス」や「地域」レポートを見て、どの層が最もコンバージョンしているかを分析します。
    • コンバージョン率が低いオーディエンスや地域は、入札単価を下げたり、除外したりする検討をしましょう。
  • 複数の広告クリエイティブをテストする
    • 広告文や画像、動画を複数パターン用意し、A/Bテストを実施します。
    • Googleのレスポンシブ検索広告や、SNS広告の動的クリエイティブなどを活用し、最もCTRが高く、コンバージョンにつながりやすいクリエイティブを発見しましょう。
  • キーワードを見直す(検索広告)
    • 除外キーワードを積極的に設定します。「〜とは」「無料」など、購入意欲の低いキーワードを除外することで、無駄なクリックを減らせます。
    • ロングテールキーワード(「東京 英語学習 初心者向け」など)を追加します。競合が少なく、CPAが低くなる傾向にあります。

4.2. ウェブサイト(LP)の改善

  • CTA(行動喚起)ボタンを最適化する
    • 「資料請求はこちら」「無料相談を予約する」など、ユーザーが取るべき行動を明確に示します。
    • ボタンの色や文言を複数テストし、最もクリックされやすいパターンを見つけましょう。
  • フォームの入力を最適化する
    • フォームの入力項目が多すぎると、ユーザーは面倒に感じて離脱します。入力項目を最小限に抑えましょう。
    • 全角・半角の自動変換機能や、リアルタイムで入力エラーを教えてくれる機能を導入することも有効です。
  • ユーザーの声(レビュー)を掲載する
    • ユーザーのレビューやお客様の声を掲載することで、サービスの信頼性が高まり、コンバージョン率が向上します。

4.3. 入札戦略と予算配分の見直し

  • 自動入札戦略の活用
    • 手動入札から「目標CPA」や「コンバージョン数の最大化」などの自動入札戦略に切り替えることで、AIが自動的にCPAを最適化してくれます。
    • 参考:Google 広告の自動入札機能について
  • 予算配分を最適化する
    • 広告管理画面のレポートで、CPAが低いキャンペーンや広告グループに予算を再配分します。
    • 複数の広告チャネル(検索広告、SNS広告、ディスプレイ広告など)を運用している場合は、CPAが低いチャネルに予算を集中させることで、アカウント全体の費用対効果を改善できます。

5. まとめ|CPAを理解し、ビジネスの成長を加速させよう

CPAは、単なる広告運用の指標ではありません。それは、貴社のビジネスが顧客をどれだけ効率的に獲得できているかを示す、重要な「健康診断」のようなものです。

クリック単価(CPC)やコンバージョン率(CVR)と合わせてCPAを分析することで、広告のどこに問題があるのか、そして何を改善すべきなのかが明確になります。

CPAを改善し、費用対効果の高い広告運用を実現するためには、以下の3つのステップが重要です。

  1. 許容CPAを明確に設定する:闇雲な運用を避け、健全なビジネス運営を目指します。
  2. CPAを構成する要素を分析する:CPCとCVRの両面から、どこに課題があるかを見つけ出します。
  3. 具体的な改善策を実行する:広告、LP、入札戦略など、あらゆる面から改善を重ねていきます。

これらのプロセスを丁寧に行うことで、無駄な広告費用を削減し、貴社のビジネスをさらに成長させることができるでしょう。

もし、貴社のCPA改善や広告運用について、より専門的な知見やアドバイスが必要な場合は、ぜひ一度ご相談ください。貴社のビジネス目標に合わせた最適な広告戦略をご提案させていただきます。

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