SEO 2025年09月25日

ROIとは?マーケティング担当者が知るべき計算方法から改善策まで徹底解説

MIP編集部

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マーケティング専門家 実務経験5年以上 コンサルティング実績多数

「この施策のROIはどのくらい?」「ROIが低くて予算が取れない…」 あなたは日々の業務で、こんな言葉を耳にしていませんか?

**ROI(投資対効果)**は、ビジネスの意思決定において最も重要な指標の一つです。しかし、「なんとなく知っているけど、正確な意味や計算方法がわからない」「どうやってROIを改善すればいいのかわからない」という方も少なくありません。

この記事では、ROIの基本から、マーケティング担当者が知っておくべき計算方法、さらにROIを最大化するための具体的な改善策まで、わかりやすく解説します。 この記事を読めば、あなたは自信を持ってROIを語り、より説得力のある提案ができるようになるでしょう。


ROIの基礎知識:なぜマーケティングでROIが重要なのか?

まずは、ROIの基本的な定義と、なぜこれほどまでに重要視されるのかを理解しましょう。

ROIとは?単なる利益率ではない、その本質的な意味

**ROI(Return On Investment)**とは、「投資した費用に対して、どれだけの利益が得られたか」を示す指標です。日本語では「投資収益率」「投資対効果」と訳されます。

ROIが重要なのは、「儲かっているか」を客観的に判断できるからです。

たとえば、Aという施策で100万円の利益が出て、Bという施策で50万円の利益が出たとします。 単純に利益額だけを見ると、Aの方が優れているように見えます。しかし、Aには50万円の投資が必要で、Bには10万円の投資で済んだとしたらどうでしょう? この場合、ROIを計算することで、どちらがより効率的な投資だったかが見えてきます。

ROIとROAS、CPAとの違いを明確にする

ROIと混同されやすい指標にROASCPAがあります。これらの違いを理解することで、より正確に施策を評価できるようになります。

  • ROI(投資対効果):
    • 計算式:(売上−売上原価−投資費用)/投資費用×100
    • 特徴: 投資した費用に対して「利益」がどれだけ出たかを示す。
    • 用途: 事業全体や、特定の施策が「本当に儲かっているか」を判断する。
  • ROAS(広告費用対効果):
    • 計算式:(広告経由の売上)/(広告費用)×100
    • 特徴: 広告費用に対して「売上」がどれだけ出たかを示す。
    • 用途: 広告施策の売上効率を判断する。ただし、利益は考慮されないため、ROASが高くても赤字の可能性がある。
  • CPA(顧客獲得単価):
    • 計算式:(広告費用)/(コンバージョン数)
    • 特徴: 1件の顧客獲得にかかった費用を示す。
    • 用途: 顧客獲得の効率性を判断する。

このように、ROIは「利益」を軸に評価する指標であり、ROASやCPAよりも経営判断に直結する重要な数値だと言えます。


ROIの具体的な計算方法と事例

ここでは、ROIの計算方法をより詳しく見ていきましょう。 マーケティング施策のROIを算出する際に、何を「投資」とみなすかがポイントになります。

基本的なROIの計算式

ROIの基本的な計算式は以下の通りです。

ROI(%)=投資額(売上−売上原価−投資額)​×100

  • 売上: 施策によって発生した総売上
  • 売上原価: 販売した商品・サービスの仕入れ費用や製造費用
  • 投資額: 施策にかかった総費用(広告費、人件費、ツール費用など)

例題: あるWeb広告キャンペーンに、広告費100万円、人件費20万円を投資しました。このキャンペーン経由で売上が300万円、売上原価が50万円発生したとします。

  • 利益: 300万円 – 50万円 – (100万円 + 20万円) = 130万円
  • 投資額: 100万円 + 20万円 = 120万円

ROIを計算すると、

120万円130万円​×100≒108.3%

この場合、ROIは**約108.3%**となります。これは、投資した費用を上回る利益が出ている、つまり「儲かっている」ことを示します。

マーケティングROIの計算と「LTV」の考え方

マーケティングにおけるROI計算では、**「LTV(顧客生涯価値)」**を考慮することが重要です。

LTVとは、一人の顧客が、自社と取引を始めてから終えるまでの間に、自社にもたらす利益の総額のことです。

高額な初期費用をかけて新規顧客を獲得しても、顧客が長期的にサービスを利用してくれれば、トータルのROIは高くなります。逆に、安価な商品でROIが高く見えても、リピートがなくLTVが低ければ、長期的なビジネス成長にはつながりません。

LTVを加味したROIの計算式(長期的な視点での評価):

ROI(%)=顧客獲得費用(LTV−顧客獲得費用)​×100

これにより、短期的な利益だけでなく、**「その顧客が将来的にどれだけの利益をもたらしてくれるか」**まで含めて、投資対効果を評価できるようになります。


ROIを改善する3つの戦略:今日からできる具体的なアクション

ROIの計算方法を理解したところで、次はROIを改善するための具体的な戦略を見ていきましょう。 ROIの計算式を分解すると、改善するためのヒントが見えてきます。

ROI = (利益) ÷ (投資額)

この式からわかるように、ROIを改善するには、以下の2つのアプローチが考えられます。

  1. 利益を増やす
  2. 投資額を減らす

この2つの軸で、具体的な改善策を掘り下げていきます。

1. 利益を増やすための戦略

利益を増やすには、売上を増やすか、売上原価を下げる必要があります。

  • 顧客単価(LTV)を上げる:
    • アップセル・クロスセル: 既存顧客に、より高額なプランや関連商品をおすすめすることで、一人あたりの売上を増やします。
    • リピート率向上: メルマガや限定クーポンの配信、会員特典などで、顧客との関係を維持し、リピート購入を促します。
  • コンバージョン率(CVR)を改善する:
    • LP(ランディングページ)の最適化: 魅力的なキャッチコピーや画像、ユーザーの行動を促すCTA(コールトゥアクション)ボタンの配置をテストし、フォーム入力率や資料請求率を高めます。
    • Web接客ツールの導入: チャットボットやポップアップなどで、サイト訪問者の疑問を解決し、離脱を防ぎます。
  • 顧客数を増やす:
    • 新しいチャネルの開拓: SNS広告、コンテンツマーケティング、インフルエンサーマーケティングなど、新たな顧客層にリーチできる施策を探します。
    • リードナーチャリング(見込み客育成): 獲得した見込み客に定期的に有益な情報を提供し、購買意欲が高まったタイミングで営業アプローチをかけます。

2. 投資額を減らすための戦略

投資額を減らすことは、コスト削減を意味します。しかし、単に予算を削るだけでは効果は出ません。無駄なコストを見つけて、効率化を図ることが重要です。

  • 広告の最適化:
    • キーワードの見直し: コンバージョンにつながらない、無駄なクリックを発生させているキーワードを除外します。
    • ターゲティングの精度向上: より自社の顧客像に近いターゲットに絞り込み、広告の無駄打ちを減らします。
    • 自動入札戦略の活用: Google広告やYahoo!広告などの自動入札機能を活用し、効率的にコンバージョンを獲得できる仕組みを構築します。
  • 業務の自動化と効率化:
    • マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入: 見込み客のセグメント分けやメール配信、スコアリングなどを自動化し、人件費を削減します。
    • SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)との連携: マーケティングと営業の連携を強化し、無駄な業務や重複をなくします。

事例から学ぶROI改善のヒント

あるECサイトでは、広告費を増やしてもROIが改善しないという課題を抱えていました。そこで、以下の改善策を実施しました。

  1. コンバージョン率の改善: サイトの導線を見直し、商品ページから決済ページまでのステップを簡略化。
  2. 顧客単価の向上: 購入履歴に基づいたパーソナライズされた商品レコメンド機能を導入。
  3. 広告運用の見直し: 効果の低い広告クリエイティブを停止し、コンバージョンにつながりやすいオーディエンスに予算を集中。

これらの施策の結果、広告費用を大きく変えることなく、ROIを1.5倍に向上させることができました。


ROIに関するよくある質問

Q1. ROIの「良い基準」はありますか?

ROIに明確な「良い基準」はありません。なぜなら、業種や事業フェーズ、目標によってROIの基準は異なるからです。

  • 新規事業の立ち上げ期: 顧客獲得を最優先するため、ROIがマイナスでも、事業成長のための投資とみなす場合があります。
  • 成熟した事業: 安定した利益を出すことが目標になるため、ROIが100%以上であることが求められます。

重要なのは、自社の過去のデータや、業界のベンチマークと比較して、パフォーマンスを評価することです。

Q2. ROIがマイナスの場合、どうすればいいですか?

ROIがマイナスということは、**「投資した額よりも利益が少ない」**状態、つまり赤字であることを意味します。 この場合は、早急に原因を特定し、改善策を実行する必要があります。

  • 原因分析:
    • 「投資額」が大きすぎるのか?: 無駄な広告費や人件費が発生していないか見直す。
    • 「利益」が少なすぎるのか?: 売上が上がらない、もしくは売上原価が高いことが原因ではないか探る。
  • 改善策の実行:
    • 短期的な改善: 広告のキーワードやターゲティングの見直し、LPのA/Bテストを実施する。
    • 長期的な改善: サービス自体の価格設定や、LTVを向上させるためのCRM戦略を再構築する。

まとめ:ROIを理解し、ビジネスの成長を加速させよう

ROIは、単なる数字ではありません。それは、あなたのビジネスの健康状態を示す羅針盤です。

  • ROIは「投資対効果」を表す指標であり、利益を軸に評価する。
  • ROIの計算方法を理解し、LTVも考慮に入れることで、より正確な評価が可能になる。
  • **「利益を増やす」「投資額を減らす」**という2つの軸で、具体的な改善策を実行する。

ROIを正しく理解し、日々の業務に活かすことで、あなたはコストセンターではなく、プロフィットセンター(利益を生み出す部門)として、社内でのプレゼンスを確立できるはずです。 そして、その成果は必ずや、あなたの会社の成長へとつながっていくでしょう。

もし、自社のROI改善に課題を感じていたり、より専門的な知見が必要な場合は、ぜひ株式会社MIPにお問い合わせください。 貴社の状況に合わせた最適なマーケティング戦略をご提案し、ビジネスの成長を強力にサポートいたします。

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